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【弁当だけでもひとなみに】音声インタビューの文字おこし版

南三陸町のアクティビティに参加していただいた千葉さんから、手作りの「浮き玉ストラップ」をいただきました。 色があるビー玉ではなく、あえて透明なガラス玉を探して使ったことを教えてくださいました。 ストラップの細部までのこだわりを感じたので、もともと漁業に携わっていらしたのかお聞きしました。

●インタビュー音声ファイル http://objapan.org/voice_report/140608_person25.mp3

「海で浮き玉を吊るすときのこれが基礎の編み方で、船の人たちはみんなこの編み方。それを教えてもらって、それをガラス玉に編んでみたの」 「これはビー玉?」 「ガラス玉。ビー玉と違うの。だから1色の光になるの。ビー玉だと中に柄(色)がはいるでしょ。これには、柄(色)が入っていないの」 「ホントに浮きの・・そのままで・・・南三陸って感じがしていいですね」

「もともとは漁業関係とかされていらしたんですか?」 「今も漁業関係やってるの。一人だけどね」 「漁業っていうと?」 「今はわかめ。みんなね、わかめなんてっていうと男の人だと大きくできるけど、私、女一人でやっているから」 「もともと一人でやってたんですか?」 「前は夫もいたんだけど、病気で亡くなってからひとりだから。結局、震災後もなにかしなかったら前向きにいけないから、  やっぱりわかめやろうと思って。地域の方々が一生懸命協力してくださって私もそれなりに助けて頂けたし、続けていられる」

「ここから、海までって結構ありますよね?」 「ここから車では、今まで住んでいたところまで5分位で行けるんです。ゆったり歩いても30分位なのでよい運動になるんです」 「前は本当に海の真ん前にお住まいだったんですか?」 「そう、家の下が海だったから。今日は波が良いとか、今日は波が荒れてるから海に出られないとか、そういうのを直接見れたのに、  ここだといちいち向こうまで下がっていかないとなかなか見えないんです。風だけでは、今日は西風だから波はちょっと良いかな?  今日は南風だから波が入ってきて海が荒れるかな?とか感覚は少し感じられるのですが、やはり実際行ってみないとわからないですね」

リアス式海岸特有の山が海に迫る地形の南三陸町で震災直後の炊き出しでは山菜が食材として利用されていたようです。 ここの仮設でも、天ぷらやおひたしを作られたことをおききしました。 そんな中、高校生のお弁当について話が及びました。

●(抜粋) 「高校生なんかは学校が始まると、避難所だからといってお昼がおにぎりだけではかわいそうだからお弁当作ろう!ということになって、  十数名の高校生全員にお弁当を作って持たせました。この避難所では。小学校、中学校は給食があるけど高校生はないからね。  お弁当を全部用意して、大人のおかずはひとつ減らしてもいいから、子ども達の分は絶対減らすなと思って。  弁当だけは人並みに持たせよう、家にいたときと同じようにしようという感じになってね。  それを、高校生もわかっているの。ほかの仮設から通っている高校生はお昼がおにぎりの中、  ここの仮設の高校生はお弁当だったので、「お前たち本当に仮設から通学してるのか?」ときかれたって言ってたもの。  ここでは、子どもたちに不自由させない、弁当ぐらいは家で作っていたようにしよう、とひとりが先頭になっって言ったから  お母さんたちも自分の子どもの為に出てきてくれて。  だから、ここの高校生は素直に「ごちそうさん」っていって弁当を渡すようになってね。 「今日のおかずはこうだったよ」とか、「いつもありがとう」って言葉がひとつずつ増えるようになったんです」

震災と津波、その後の避難所や仮設住宅での経験。 子どもたちの目からも、親の気持ち、地域の大人の思いが伝わったようですね。 ひどいと思えるような経験の中でも、最も大切なものはなにかを学んでほしい たくましく生きていくためにの力になっていくことを願ってやみません。

●インタビュー音声ファイル http://objapan.org/voice_report/140608_person25.mp3

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